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事業継続力強化計画(BCP)とは?

  • 執筆者の写真: あいおい法務行政書士事務所
    あいおい法務行政書士事務所
  • 14 時間前
  • 読了時間: 7分

~~~経営者が押さえておきたいポイントを分かりやすく解説~~~


 近年、地震や豪雨などの自然災害が全国各地で頻発し、また新型コロナ感染症やサイバー攻撃など、企業活動にも大きな影響が出ています。


 そんな中で国が中小企業に向けて用意しているのが「事業継続力強化計画(BCP)」の認定制度(経済産業大臣認定)です。

※BCP(Business Continuity Plan)とは、企業が自然災害、大火災、テロ攻撃などの緊急事態に遭遇した場合において、事業資産の損害を最小限にとどめつつ、中核となる事業の継続、あるいは早期復旧を可能とするために、平常時に行うべき活動や緊急時における事業継続のための方法、手段などを取り決めておく計画。


 名前だけ聞くと少し堅苦しく感じるかもしれませんが、内容は“中小企業が無理なく取り組める防災・減災の第一歩”を後押しするもの。

 計画を作り、認定を受けることで、税制優遇や補助金の加点など、経営に役立つメリットも得られます。


 ここでは、経営者・役員の皆さまに向けて、この制度のポイントを分かりやすく整理してお伝えしていきたいと思います。


▢ なぜ今「事業継続力強化計画」(BCP)が注目されているのか?

 災害や疫病などに見舞われたとき、その企業がどれだけ早く事業を再開できるかは、取引先からの信頼や従業員の生活にも直結します。

 しかし、実際には「BCPを作りたいが、何から始めればいいか分からない」「専門的な計画はハードルが高い」と感じる企業が多いのも事実でしょう。


 そこで国が用意したのが、より取り組みやすい“簡易版BCP”ともいえるこの制度です。

 自社の「災害リスク」を整理し、最低限の備えを計画にまとめるだけで認定が受けられるため、初めての企業でも無理なく取り組めます。


▢ 認定を受けるとどんなメリットがあるのか?

 この制度の魅力は、計画を作るだけでは終わらず、「経営に直接プラスになる支援が受けられる点」にあります。

 主なメリットは次の4つです。


1.税制優遇(特別償却16%)  

 自家発電設備や排水ポンプ、防水シャッターなど、防災・減災に役立つ設備を導入した際に特別償却が使えます。(下段で詳細説明)

2.低利融資や保証枠の拡大  

 日本政策金融公庫の「BCP資金」では、通常より低い金利で設備資金を借りられます。

 信用保証協会の保証枠が広がる点も大きな安心材料です。

3.補助金の加点  

 ものづくり補助金や持続化補助金など、主要な補助金で加点対象になります。

 採択率を高めたい企業にとっては大きな追い風となるでしょう。(下段で詳細説明)

4.損害保険料の割引  

 多くの保険会社が、認定企業に対して保険料の割引を用意しています。(下段で詳細説明)


 こうした支援を総合的に活用することで、災害対策を進めながら、資金面の負担を抑えることができます。


▢ どんな企業が対象になるのか?

 対象は、中小企業等経営強化法に定める「中小企業者」です。

 法人だけでなく、個人事業主や協同組合なども含まれます。

 業種ごとに資本金や従業員数の基準がありますが、一般的な中小企業であればほとんどが対象に入ります。


申請の流れはシンプル。電子申請で完結。

 申請はすべてオンラインで行います。

 必要なのは「GビズID」の取得だけです。

 流れは次のようにシンプルです。


  1. 自社の災害リスクを整理する  

    地震・水害・感染症・サイバー攻撃など、どんなリスクがあるかを企業の実情に合わせて確認します。

  2. 計画書を作成する  

    取り組む内容(備蓄、安否確認、設備導入など)をまとめます。

    計画期間は最長3年です。

  3. 電子申請で提出する  

    審査期間はおおむね45日程度です。

    認定されると、事業者名が公表されます。

  4. 計画を実行し、必要に応じて見直す  

    2回目の申請や変更申請も可能です。


計画書はテンプレートが用意されており、専門知識がなくても作成しやすい構成になっています。


実務で特に押さえておきたいポイントは3つ

  • 計画は“できる範囲で”書けばOKです。  

    完璧なBCPを求められるわけではありません。

    現状の取り組みと、今後の予定を整理するだけで十分です。

  • 認定後1年以内の設備投資が税制優遇の対象です。  

    「設備導入」を検討している企業は、計画のタイミングを意識するとメリットが大きくなります。

  • 補助金申請の前に認定を取っておくと有利です。  

    特に「ものづくり補助金」などは加点の影響が大きいため、早めの準備が効果的です。


▢ 設備投資はどこまで対象になるのか?

 事業継続力強化計画の認定を受けると、防災・減災に資する設備投資に対して特別償却16%が適用されます。

 対象範囲は想像以上に広く、業種を問わず「自然災害による被害を軽減する設備」であれば多くが該当します。


~~主な対象設備(PDF記載の具体例)~~

  • 自家発電設備(非常用発電機)  

    停電時の操業継続に直結するため、製造業・医療・食品業などで特に有効。

  • 排水ポンプ・揚水ポンプ・浄水装置  

    水害対策として幅広い業種で活用可能。

  • 耐震・制震・免震装置  

    建物や設備の揺れを抑え、操業停止リスクを軽減。

  • キュービクル式高圧受電設備・変圧器・配電設備  

    電源系統の強化は、停電リスクの高い地域で特に効果的。

  • 無停電電源装置(UPS)  

    IT企業、事務所、医療機関など、データ保全が重要な業種に最適。

  • 止水板・防水シャッター  

    浸水被害を防ぐための代表的な設備。

  • 格納式避難設備  

    従業員の安全確保に直結するため、サービス業や商業施設でも導入が進む。


▢ どの補助金と相性が良いのか?

 認定を受けると、複数の主要補助金で「加点」が得られます。

 特に次の補助金とは相性が良く、採択率向上に直結します。


「ものづくり補助金」

  • 設備投資を伴う製造業・建設業・IT企業などに最適です。

  • 防災設備そのものは対象外でも事業継続力強化計画の認定があるだけで加点されます。

  • 事業再構築補助金と並び、最も加点効果が大きい補助金の一つです。

「小規模事業者持続化補助金」(一般型・創業型)

  • 小売業・サービス業・飲食業など幅広い業種が対象。

  • 販路開拓や店舗改装などの申請で、認定があると採択率が上がる傾向。

「中小企業省力化投資補助金」

  • 自動化・省力化設備の導入を支援。

  • 設備投資と親和性が高く、計画認定との相乗効果も大きい。

「事業承継・M&A補助金」

  • 事業承継に伴う設備投資や専門家費用が対象です。

  • 承継後のリスク管理として計画認定が評価されます。

「災害時の復旧系補助金」(なりわい再建等)

  • 災害発生時に認定を受けていると申請時に必要書類として活用される場合があります。


▢ 損害保険の割引をどう活かすか?

 複数の損害保険会社が「認定企業向けの割引」を用意しています。

1.割引の対象となる主な保険

  • 火災保険

  • 企業財産保険

  • 休業損害保険

  • 地震危険補償特約(共済含む)

2.割引が適用されやすいケース

  • 過去の保険金支払いが少ない。

  • 防災設備の導入が進んでいる。

  • 訓練・マニュアル整備など、リスク管理体制が整っている。

  • 計画書に具体的な対策が記載されている。

3.実務的な活用方法

  • 保険更新のタイミングで、認定通知書を保険会社に提示する。

  • 防災設備の導入を計画に記載し、実行すると割引率が上がる可能性があります。

  • 代理店に「事業継続力強化計画の認定企業向け割引を検討してほしい」と依頼します。

保険料は毎年発生する固定費のため、割引が適用されると長期的なコスト削減効果も期待できます。


● 経営者として押さえておきたい“戦略的な使い方”

「事業継続力強化計画」(BCP)は、防災対策だけでなく、次のような経営メリットを同時に得られる制度です。

  • 設備投資の節税(特別償却16%)

  • 補助金の採択率向上効果

  • 低利融資・保証枠拡大による資金調達・資金繰りの安定化

  • 損害保険料の割引による固定費削減

  • 取引先・金融機関からの信頼向上


つまり、「守りの投資」を「攻めの経営」に変えるための制度とも言えます。


● 経営の“守り”を固めるための第一歩として

 「事業継続力強化計画」(BCP)は、企業の防災力を高めるだけでなく、資金調達や補助金活用にもつながる実務的な制度です。

 「BCPは難しそう」と感じていた企業にこそ、最初の一歩として取り組みやすい内容になっています。



 事業継続力強化計画(BCP)を策定し認定を受けられたいとお考えの経営者・役員様は、お気軽に弊所へご相談ください。

 


 



 
 
 

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    特定行政書士 申請取次行政書士

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    財務コンサルタント

  ※ASJ認定財務コンサルタント

  銀行融資診断士

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