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●建設キャリアアップシステム(CCUS)は、

①技能者ひとりひとりの就業履歴を蓄積し、その保有する資格や経験などと合わせて能力を総合評価し、処遇の改善を図ること。

②技能者のキャリアパス(技能や経験)を明確にして、新しい入職者を増やすこと。

③事業者は、優秀な技能者を育てる専門工事業者としてその施工能力をアピールすることができ、競争力を高めつつ同時に人材の確保を図ること。

を主な目的として掲げ、建設業界全体の健全化・明確化を目指します。
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●建設キャリアアップシステム(CCUS)に登録するメリットととして、次の3つが挙げられます。

①技能者のメリット:CCUS情報を活用した能力評価、レベルごとの年収目安の明確化により賃金水準の相場の形成、著しい引上げ又はダンピングの防止。作業現場・勤務先が変わっても、技能者の能力を客観的に証明することが可能。カードリーダーをタッチすることで、日々310円の「建退共掛金」を積立てすることができる。(元請事業者が一括掛金支払い)

②下請事業者のメリット:事業者が雇用している技能者の人数・保有資格・経験・社会保険加入状況等が明確化され、取引先からの信頼の獲得。技能者の能力評価と連動する専門工事企業の施工能力の見える化(4段階評価)。出面管理のIT化、賃金・代金支払いの根拠の明確化。

​③元請事業者・上位下請事業者のメリット:下請事業者の実力、技能者の資格・社会保険加入状況・安全衛生資格・労災特別加入状況などの確認が可能となり、施工の安心感・信頼感を得やすい。PCでの作業進捗状況の確認、下請事業者への支払い適正化など、現場管理の効率化。施工体制台帳、作業員名簿作成、建退共の証紙受払・貼付等の作業簡素化・ペーパーレス化。外国人労働者の資格等の確認が容易になる。

これらのメリットによる事業者情報・技能者情報・就労履歴情報が明確化されることで、これから建設業に就職希望する若い世代へのイメージアップになり、施主に対しても根拠に基づく価格交渉力を上げることができます。
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●建設キャリアアップシステム(CCUS)の利用・登録

​ 情報の登録・登録料の支払:技能者は、本人情報・所属事業者名と同ID・職種・社会保険加入状況・建退共加入状況・保有資格・研修受講履歴・表彰・健康診断受診歴などを登録することにより、技能者カードが交付されます。

 下請事業者は、商号・所在地・建設業許可情報・資本金・業種・社会保険加入状況などを登録し、それぞれの現場・契約に対する施工体制を登録し、所属技能者情報を登録します。元請事業者も上記同様情報を登録し、現場を開設する際に現場・契約情報を登録(現場名・工事内容・就業履歴蓄積期間等)します。

 それぞれの立場で以上の内容を登録したら、元請事業者は各現場にカードリーダーを設置し、技能者はそのカードリーダーにタッチすることで就業履歴を蓄積させることになります。それにより技能者ひとりひとり、いつ・どの現場で・どの職種で・どの立場で働いたのか、日々の就業実績としてPCに記録・蓄積されていくことになります。
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●建設キャリアアップシステム(CCUS)に登録したら?

 技能者は、カードのレベルアップ(1:ホワイト ⇒ 2:ブルー ⇒ 3:シルバー ⇒ 4:ゴールド)による処遇の改善、労働者の明確な目標設定によるモチベーションのアップ、就業記録の蓄積による実力の証明、将来はそのカードが資格証の代わりとなるなど、様々なメリットがあります。

 事業者は、技能者を育てることで施工能力評価もアップし仕事の獲得増を見込める、就業希望者にアピールすることで担い手不足を解消、公共工事入札による評価のアップ、現場事務作業の効率化・省力化などを実現することが可能です。
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●建設キャリアアップシステム登録で、「選ばれる会社」に!

 CCUSに登録された技能者が所属する下請事業者には様々なメリットがあります。

 技能者は、就業履歴を積み重ねていくことでカードレベルがアップします。つまり技能者のキャリアが客観的に見えるシステムです。ですので、下請事業者に所属する技能者のカードレベルを見ればその会社の実力がハッキリします。

 カードレベルがホワイト⇒ブルー⇒シルバーと段階的に上がれば、それだけ他社との差別化を図ることができ競争力でも優位に立てます。

 建設キャリアアップシステムは「優秀な技能者を多く抱える企業」を客観的に示すことができる指標となり、元請事業者や施主からみた施工能力の判断材料として役に立ちます。
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●経験とスキル(技術・資格)を貯めるカード。

 建設キャリアアップシステムは、技能者の「経験」・「スキル(技術・資格等)」を貯めるという目的があります。それらを蓄積すれば技能者自身のキャリアアップにつながります。

 キャリアとは知識・技能・経験です。知識・技能を証明するものが「資格」ですが、建設技能者を対象とする資格は主に職種ごとに業界団体が認定しており、各資格者のうちの最上位が「登録基幹技能者」であり35職種で認定されています。

 「経験」とは、どのような現場・立場・作業内容で、どれだけの期間働いたのか?ということですが、この経験を日々積み重ねてマネジメント能力が上がると班長・職長として、他の技能者を束ねる立場となります。

 これが技能者の「キャリアアップ」の1つの例でしょう。技能者は日々の現場で自身のカードをリーダーにタッチすれば、経験・スキル・就業履歴を自動的に貯めることができます。

 現場が次々と変わっても就業履歴はその都度カードに蓄積されていくので、その分キャリアアップにつながります。
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●若い世代の担い手を呼び込むキッカケづくり。

 建設キャリアアップシステムが目指すものは、技能者の能力を適切に評価し適切な処遇を与え、技能者が自身のキャリアパスを明確に描けるようにするためであり、前記のようなキャリアアップをすることで若い人のみならず幅広い世代の技能者の希望やモチベーションを高める仕組みを構築することです。

​ 建設技能者を志す若い世代が就職を考える際に、将来像をシッカリと描くことができればその会社は魅力的に映るでしょう。CCUSの導入と活用は、会社の魅力を高められるキッカケになるに違いありません。
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  ※ 参考資料:建設キャリアアップシステムHP(財)建設業振興基金、建設キャリアアップシステムかんたんガイド(日経BP総研)

 

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