2026年、防災庁発足で変わる「備えの基準」
- あいおい法務行政書士事務所
- 3 日前
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――いま企業が向き合うべきは“事業継続力強化計画(ジギョケイ)の実効性”**
2026年11月、日本の防災・災害対応を統括する「防災庁」が発足します。
国が本格的に“事前防災”へ舵を切るこのタイミングは、企業にとっても大きな転換点です。
これまで「BCP(事業継続計画)」が理想形として語られてきましたが、実際には作成のハードルが高く、形骸化したまま放置されているケースも少なくありません。
そこで注目されているのが、**「事業継続力強化計画(ジギョケイ)」**です。
ジギョケイは、経済産業省が認定する“簡易版BCP”とも言える制度で、企業が最低限備えておくべき事業継続の仕組みを、無理なく形にできるよう設計されています。
防災庁の発足は、まさにこの事業継続力強化計画(ジギョケイ)の価値を一段と高める出来事です。
なぜなら、これからの企業評価は「平時の実績」だけでなく、**“非常時にどれだけ動けるか”**が問われる時代へと移り変わるからです。
1.事業継続力強化計画が“金融・取引の新しい物差し”になる理由
自然災害に加え、サイバー攻撃、システム障害、サプライチェーン(物流網)の寸断など、企業を取り巻くリスクは年々多様化しています。
AIやクラウドへの依存度が高まるほど、ひとたびシステムが止まれば、受注・出荷・労務管理・営業活動まで一斉に停止する可能性があります。
こうした状況の中、金融機関や取引先は、企業の“災害耐性”をこれまで以上に重視し始めています。
つまり、**「事業継続力強化計画を持っているか」ではなく、「その計画が本当に機能するか」**が問われる時代です。
▼貴社への問い①
• 自社のBCPや事業継続力強化計画は、金融機関に“実効性”として説明できますか?
• 非常時でも供給を止めない根拠を、取引先に示せますか?
2.オールハザード型――原因ではなく“状態”に備える事業継続力強化計画ー
従来のBCPは「地震用」「火災用」など原因別に作られることが多く、結果として複雑化し、運用されない計画になりがちでした。
ジギョケイは、これを “状態別に備える” というシンプルな発想に整理しています。
• 本社が使えない場合
• システムが止まってしまった場合
• 通信が途絶えてしまった場合
• 主要人員(キーマン)が不在の場合
原因を問わず「困った状態」に対して“どう事業を動かすか”を定義する。
これが、オールハザード型の考え方であり、ジギョケイの核となる部分です。
▼貴社への問い②
• 本社が使えない場合、事業を動かす手順は明確ですか?
• システム停止時の代替手段は、実際に使えるレベルで準備されていますか?
3.フェーズフリー ――日常業務そのものを強くする発想ーー
「防災・減災のためだけにコストはかけられない」
これは多くの企業が抱える本音かもしれません。
そこで重要になるのが フェーズフリー の考え方です。
事業継続力強化計画~ジギョケイは、この発想を自然に取り込める仕組みになっています。
• 普段使うチャットツール(LINE等) → 災害時の安否確認に活用
• テレワーク体制(Zoom等) → 災害時の代替オフィスに活用
• 分散した在庫拠点 → 物流断絶時のバックアップ
• クラウド活用 → データ消失リスクの低減
“特別な防災対策”を増やすのではなく、日常業務そのものを強くすることで、非常時にも機能する組織をつくる。
▼貴社への問い③
• 日常で使われているツールは、非常時にもそのまま使えますか?
• 在庫・拠点・人員配置は、災害時のバックアップとして機能しますか?
4.事業継続力強化計画~ジギョケイは“企業の信頼性”を示す証明書になる
ジギョケイは、中小企業庁の認定制度であり、計画の存在だけでなく、実効性のある備えをしている企業としての公的なお墨付きを得られます。
これは、取引先や金融機関に対して大きな信頼材料になります。
• 新規取引の融資審査
• 調達先・取引先の選定
• 金融支援の判断
• サプライチェーン全体のリスク評価
こうした場面で、事業継続力強化計画の有無は“企業の姿勢”として見られます。
▼貴社への問い④
• 自社は事業継続力強化計画~ジギョケイ認定を取得していますか?
• 取引先に「供給を止めない根拠」を説明できる資料はありますか?
5.2026年、防災庁発足は“備えの基準が変わる年”です
防災庁の発足は、企業の備えが「形だけのBCP」から「実効性のあるジギョケイ」へ
シフトする象徴的な出来事です。
これからは、取引先や金融機関から「その計画、本当に機能しますか」と問われることが当たり前になります。
しかし同時に、真摯に備える企業ほど、強い信頼を獲得できる時代でもあります。
6.今、経営者が取り組むべき3つのアクション
① 最優先業務(MVP)と復旧時間(RTO)を明確化する
事業継続力強化計画の核心は“何をどれだけ早く復旧させるか”。
② 状態別の対応手順を整備する(オールハザード型)
原因ではなく「止まったときにどう動くか」を定義する。
③ 日常業務そのものを強くする(フェーズフリー)
特別な対策ではなく、日常の仕組みをより強くし災害対応に転用可能とする。
災害は起こるか起こらないかではなく、いつ起こるか?を前提として対策を講じておく必要があるのは、すでにご承知のとおりです。
弊所は、財務コンサルタントとして「事業継続力強化計画」ジギョケイの策定支援をさせて頂きます。お気軽にご相談ください。
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