下請二法:中小受託取引適正化法及び受託中小企業振興法の改正による金融界の対応
- あいおい法務行政書士事務所
- 2025年7月19日
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改正下請法および改正下請振興法が、2026年1月に施行されるにあたり、下請事業者は物価の上昇分の「賃上げ」の原資を確保しなければならなくなります。
ですので、事業者が価格転嫁しやすい取引環境をつくるためにも同法の改正は必要であり、それが改正の主な狙いでもあります。
約束手形での支払が禁止されるので、支払サイト(回転期間)の短期化に伴い元請けなどの発注企業の「資金繰り」への影響が懸念されています。
これらの企業を支えていくための身近な存在である金融機関の役割はとても重要です。
〇約束手形支払いの禁止
改正下請法の主な内容は、手形払いの禁止、現金受領までの期間は現行の「120日」から「60日」に短縮。
電子記録債権(でんさい)、ファクタリングは期日までに代金相当額の金銭が得られなければ認められません。
元請けなどの発注側企業が下請事業者と協議せずに代金額を決めることは禁止されます。
同法の対象は、資本金基準に加え、従業員数基準も追加されます。
改正下請振興法は、国や自治体自身も取引の適正化に向け、経済団体との協定や価格交渉セミナー実施などに努める責務を明文化しています。
約束手形の支払サイト(回転期間)は、2024年11月に「60日」に短縮されていますが、いまだに100日超の企業が残っていると、手形払い廃止の前に支払サイト短縮の対応が遅れている発注企業もあるようです。(城南信用金庫)
あいち銀行は、「支払条件、回収条件をしっかりとヒアリングし、必要な資金を提供していく」とし、埼玉りそな銀行は「発注企業の資金繰り相談には柔軟に対応したい」とし、同法改正に伴い支援の強化を図っていく構えだということです。
〇業界特化の周知活動
2026年1月の施行まで6か月を切っています。各地の金融機関では取引先へ向けてセミナーを開催するなど周知活動も本格化の様相を呈しています。
単独の取組は当然、他公庫・行政・業界団体との連携による「面」の支援体制が成功への鍵であり、城南信金の取組では、重点支援先130社へ交渉文書のフォーマットや限界利益率計算ツールを提供し、専門家派遣と併せて支援体制を整えています。
価格転嫁率が特に低いトラック運送業界は「多重下請け構造」が喫緊の課題であり、さわやか信金では「業界特化型」の交流会を開催、価格交渉・人材不足の問題を共有しています。
名古屋銀行では「自動車サプライチェーン支援室」、あいち銀行では「モビリティサポートチーム」を設置し、8月25日に百五銀行・三菱UFJ銀行・日本自動車部品工業会と「自動車部品サプライヤー向けに改正法対応セミナーを共催で開催します。
中部経済産業局、愛知県、三重県などの行政とも連携し、150社がセミナー参加を申込んでおり、官民一体支援が広がりを見せています。
※参照:ニッキンonline特集より抜粋

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