金融仲介機能の発揮に向けたプログレスレポートについて~金融庁
- あいおい法務行政書士事務所
- 6月30日
- 読了時間: 3分
金融庁は、今年6月27日、地域金融機関による「金融仲介機能」をさらに発揮するため、「金融仲介機能の発揮に向けたプログレスレポート」(金融庁・財務局等)を取りまとめ、2019事務年度より公表しています。
地域金融機関(地方銀行、信用金庫、信用組合など)は、地域企業・地域経済の持続的成長の実現に向け、取引先企業の事業に対して資金面を含め様々な支援を提供し、企業の経営課題を解決することが期待されています。
昨今の物価高騰や人手不足等の影響で、事業者の経営課題は多様化しており、さらなる付加価値の高い支援提供が必要です。
金融庁では、2024年8月に公表した「金融行政方針」において、地域金融機関による「事業者の課題に応じた支援の促進」「事業者の持続的な成長を促す融資慣行の確立」を重要課題とし、関連施策の立案・実施に取り組んでおり、今般の「金融仲介機能の発揮に向けたプログレスレポート」では、事業者支援関連の施策を中心に、金融仲介機能の発揮に向けた金融庁・財務局等の2024事務年度の取り組みを以下の3つのカテゴリーに整理、その概要を紹介しています。
①「事業性融資の推進」
〇企業価値担保権制度の施行に向けた環境整備
事業性融資推進法の2026年春頃の施行に向け、企業価値担保権を活用した融資における実務上の課題につき関係業界団体と議論を実施し、制度趣旨の周知・広報に取り組み、環境整備を進めた。
〇経営者保証に依存しない融資慣行の確立
「経営者保証改革プログラム」に基づき金融機関の取組状況をフォロー、経営者保証がM&A・事業承継の支障・妨げとならぬよう監督指針を改正した。
〇引当方法の見直し・開示状況の実態把握
金融検査マニュアル廃止後の引当方法の見直し・開示状況に加えて、新たな会計基準に向けた準備状況の調査・分析を実施した。
②事業者支援能力の向上と支援態勢の構築
〇事業者支援に関する重点的なヒアリングのフォローアップ
地域金融機関による事業者支援の取組状況や課題への対応状況等をヒアリングした。
〇事業者支援によるリターン可視化の研究
地域金融機関による経営改善・事業再生支援の状況を調査・分析、事業者支援により収益を「見える化」する研究を開始した。
〇業種別支援の着眼点の作成・普及促進
金融機関が事業者の経営改善支援に着手する際に着目すべきポイントを、業種ごとに整理した「業種別支援の着眼点」に、新たに2業種(介護業、宿泊業)を追加した。
〇事業再生支援に関する知見・ノウハウの普及促進
株式会社 地域経済活性化支援機構(REVIC)の事業再生支援ノウハウ等をまとめた手引きの作成や研修を実施した。
③地域課題解決支援
〇地域金融機関による人材マッチングの推進
REVICareer(レビキャリ)を通じ、人材マッチングを支援、経済産業省と連携し、事業のさらなる拡充を実施した。
〇M&A・事業承継の取組み等に関する実態把握
地域金融機関によるM&A・事業承継支援の実態、支援に積極的な金融機関の取組事例につき、調査・分析を実施した。
〇地域金融機関における兼業・副業
地域金融機関における職員の兼業・副業制度の導入状況のアンケート調査を実施した。
〇地域課題解決支援
他省庁や地域の自治体等と連携し、地域における課題の解決をサポートした。
参照:金融庁サイト~報道発表資料より抜粋
Comments