地域金融機関が金利上昇局面で岐路に
- あいおい法務行政書士事務所
- 7月4日
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地域金融機関(地方銀行、信用金庫、信用組合など)では、取引先企業の経営改善支援先を選別する動きが出てきているということで、その見直しを図っているのは返済猶予延長(リスケ)が常態化している「実質無利子・無担保(ゼロゼロ)融資先」です。
関東地区の信用金庫融資担当者は、再生の見込みのない融資先に再度融資して問題をさらに引き延ばすわけにもいかない旨を吐露しており、継続的訪問によって与信管理や経営改善を行ってきてはいたが、昨今は金利上昇局面に移り、支援対象の「選択と集中」が一段と進む可能性があります。
時代は「金利ある世界」に突入しています。中小・小規模企業・個人事業主を中心に返済負担が増しており倒産リスクは一層高まりを見せつつあります。
融資・財務コンサルタント(東京都)には、地域銀行・信用金庫・政府系金融機関等からの融資を受けられなくなった事業者から相談が急増しており、2025年に入ってから、前年比3.8倍の月平均300件で推移し、建設、不動産、物流業者が中心で「税金・社会保険料の滞納などの課題」を抱えている企業も目立つということです。
金融機関が選択・集中を進める背景としては、経営改善支援に注げる人材の確保・捻出が困難になってきているということもあり、担当者の取引先への訪問頻度が減少すればそのまま倒産予兆リスク管理を弱めることに直結します。
「金融庁が信用リスクへの警戒を強めており、融資先を絞らざるを得ない」との地銀関係者の声も聞かれるということです。
足元での取引先の粉飾を見抜けないなど「融資規律の緩み」が生じてきており、金融庁は必要に応じ大口の問題取引先などの個別案件の資産査定を確認する姿勢も見せています。
経営状況が悪化している取引先企業への「伴走支援」が金融機関には求められていますが、その一方で廃業など出口戦略も視野に入れながらの対応も欠かせません。
※参照:ニッキンonline ノンバンク・企業のニュース一覧より抜粋
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